かいとうおう |
怪塔王 |
冒頭文
怪老人 1 怪塔王(かいとうおう)という不思議な顔をした人が、いつごろから居(い)たのか、それは誰も知りません。 一彦(かずひこ)とミチ子の兄妹(きょうだい)が、その怪塔王をはじめてみたのは、ついこの夏のはじめでありました。 そこは千葉県の九十九里浜(くじゅうくりはま)というたいへん長い海べりでありました。一彦は中学の一年生であり、ミチ子は尋常(じんじょう)の四
文字遣い
新字新仮名
初出
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
底本
- 海野十三全集 第6巻 太平洋魔城
- 三一書房
- 1989(平成元)年9月15日