さっかへのしんぷう ちょさくかくみあいにふれて |
作家への新風 著作家組合にふれて |
冒頭文
封鎖で原稿料を払うということは、これから作品をかいてゆく人のために、ますます条件がわるい、新しい作家、新しい日本の文学は生れにくい、ということである。今日、出版は、大部分が営利に立っている。営利の目やすから、荷風のところへ、封鎖ですが、と長篇をたのむ玄人はいない。 それこれ考えていたらば、この間、労働科学研究所から、一枚のアンケートが送られて来た。それは珍しい作家の労働調査のアンケートで
文字遣い
新字新仮名
初出
「東京新聞」1946(昭和21)年6月8日号
底本
- 宮本百合子全集 第十六巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年6月20日