うらわみつこのじけんにかんして さんぎいんほうむいいんかいでのしょうにんとしてのはつげん
浦和充子の事件に関して 参議院法務委員会での証人としての発言

冒頭文

私も頂きました資料をよんで感じたことですけれども、やっぱり主人公である浦和充子が、子供を一人でなく三人までも殺したという気持が、このプリントに書かれてある範囲ではわからないのです。あれを読みますと、お魚に毒を入れて煮て、それを子供にわけて食べさせて、それをたべて自分も死のうと思ったということです。 そうすると小さい子と自分とが半分ずつわけて食べようと思っていたお魚の一切を、子供の一人が食

文字遣い

新字新仮名

初出

参議院法務委員会での証人発言、1948(昭和23)年12月16日、「平和のまもり」および「新日本文学」、1949(昭和24)年3月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十六巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年6月20日