アメリカぶんかのもんだい パール・バックのこたえによせて |
アメリカ文化の問題 パール・バックの答に寄せて |
冒頭文
パール・バック女史の問題のつかみ方は、さすがに作家らしくて、わたしにも皆さんにも同感されたのだと思います。パール・バックはアメリカの今日の文明をちょうど子供が新しいすばらしい玩具の作り方を発見して、それに夢中になっている状態に似ているといっている(物質的には美しいが、精神的には極度に空虚であると感じられる理由について)今日この空虚感がどんなに深く大きくアメリカの人々の感情にもしみ入っているかという
文字遣い
新字新仮名
初出
「津田塾大学新聞」1949(昭和24)年11月20日号
底本
- 宮本百合子全集 第十六巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年6月20日