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冒頭文
トルストイの「復活」という小説がある。小説として世界じゅうのひとによまれているばかりでなく、芝居に脚色されて、日本でもカチューシャとよばれる女主人公の運命は、ひとびとの心にきざまれている。「復活」のもっとも力づよく描き出されている場面の一つに、裁判の情景がある。帝政時代のロシアの裁判所の公判廷に、客を殺した一人の売笑婦として、カチューシャがひき出されて来る。貴族の陪審員として、偶然、その日の公判に
文字遣い
新字新仮名
初出
「アカハタ」1950(昭和25)年6月14日号
底本
- 宮本百合子全集 第十六巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年6月20日