しゅうしん
修身

冒頭文

一九五〇年度は、青少年の犯罪が一般の重大な関心をひいた。 青少年の犯罪は、ふっとそんな気になって、ついやられてしまう。それが習癖にもなる。そのついやることは、きょうの社会のわれ目が巨大であり非条理であるに応じて、大きい規模をもち、非人間性を示す。「希代の少年空巣。年にチョロリ三百万円」(十二月十三日、東京新聞)、「アゴで大人使う少年強盗」(十二月十六日、東京新聞)そして、日大ギャング事件

文字遣い

新字新仮名

初出

「展望」1951(昭和26)年2月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十六巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年6月20日