ひのはしら
火の柱

冒頭文

序に代ふ 是(こ)れより先き、平民社の諸友切(しき)りに「火の柱」の出版を慫慂(しようよう)せらる、而(しか)して余は之に従ふこと能(あた)はざりし也、 三月の下旬、余が記名して毎日新聞に掲(かゝ)げたる「軍国時代の言論」の一篇、端(はし)なくも検事の起訴する所となり、同じき三十日を以て東京地方裁判所に公判開廷せらるべきの通知到来するや、廿八日の夜、余は平民社の編輯室(

文字遣い

新字旧仮名

初出

「毎日新聞」1904(明治37)年1月1日~3月20日

底本

  • 筑摩現代文学大系 5 徳富蘆花・木下尚江・岩野泡鳴集
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年8月15日