ししゅう『せんそう』 |
詩集『戦争』 |
冒頭文
私は北川冬彦のやうに鬱然とした意志を藏してゐる藝術家を私の周圍に見たことがない。 それは彼の詩人的 career を貫いてゐる。 それはまた彼の詩の嚴然とした形式を規定してゐる。 人々は「意志」の北川冬彦を理解しなければならない。この鍵がなくては遂に彼を理解することは出來ないであらう。 彼は「短詩運動」「新散文詩運動」を勝利にまで戰ひ通して來た。終始一貫して
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「文學 第三号」第一書房、1929(昭和4)年12月1日
底本
- 梶井基次郎全集第一卷
- 筑摩書房
- 1999(平成11)年11月10日初版第1刷