けいしゅおしょうのてんせきがいけん |
敬首和尚の典籍概見 |
冒頭文
日本に目録學なし。目録や解題の書は相應に古き世より之あり、漢籍にては日本國現在書目、佛書にては八家の將來録などより、信西入道の藏書目、清原業忠の本朝書籍目録、これらは古書を考ふる者の缺くべからずとする所にして、徳川時代に入りては林道春父子の日本書籍考、經典題説が解題の嚆矢となりしより、遂に支那人をして其の名著に驚かしめたる經籍訪古志のごとき者さへ出づるに至りたり。故に目録の書は觀るべき者少しとせざ
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「典籍の研究 第五号」1926(大正15)年10月
底本
- 内藤湖南全集 第十二巻
- 筑摩書房
- 1970(昭和45)年6月25日