かがくろん |
科学論 |
冒頭文
序 科学というものが一纏めにして、一体どういうものであるかを、この書物は分析するのである。そこで、科学自身の脈絡を、なるべく生きたまま取り出して見たいと私は考えた。だがその点あまり成功したとは考えられない。もしこの小さな書物に特色というべきものがあるとすれば、それは、自然科学と社会科学の二つの科学に渡って、その同一と差別と更に又連関とに心を配ったという点だろう。 体裁にややテキ
文字遣い
新字新仮名
初出
「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日
底本
- 戸坂潤全集 第一巻
- 勁草書房
- 1966(昭和41)年5月25日