げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立

冒頭文

序 二三年来、問題に触れて書いて来た社会評論の内から、手頃と思われるものを選んで、出版することにした。私はかねてから、批評の任務は努めて客観的公正を守るということにあると信じている。観察者には色眼鏡があってはならない、事実そのものをして語らせなければならないのである。 尤も又私が信ずる処によると、評論は如何なる場合にも文学的特色を有っていなければならない。その結果、この小著にも

文字遣い

新字新仮名

初出

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

底本

  • 戸坂潤全集 第五巻
  • 勁草書房
  • 1967(昭和42)年2月25日