ことしかいりょうしたきこと
今年改良したき事

冒頭文

日常生活の形式等は、出来る丈単純にしているので、今私の心に在るものは、改良したいというより、寧ろ進展したい心持でございます。けれども故石川啄木の歌に ひと晩に咲かせてみむと梅の鉢を  火に焙りしが咲かざりしかな とある心持を深く、切実に感ぜられます。 一九二一年一月

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人倶楽部」1921(大正10)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日