われをかえりみる
われを省みる

冒頭文

一 『女性日本人』の編輯に従事して居られるY氏が見え、今度同誌で、各異る年代にある人々の、年齢感ともいうべきものを蒐集されるまま私は非常に興味あり、また有益なことだと思います。 一体私共は余り無反省に年をとり過ぎます。年齢を云々することは、何故人生にとって意義あることなのか、省察する暇もなく、口真似のように「いくつ、いくつ」と云う。 甚しい場合、時に日本等に於ては、年をとっている

文字遣い

新字新仮名

初出

「女性日本人」1923(大正12)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日