はいしたいへいふうとえいぞくさせたいびふう
廃したい弊風と永続させたい美風

冒頭文

一、人間があまり太平すぎて、独占的であり、自己中心であったことから生じた種々のこと、例ば贅沢を高貴と考え違えたような多くの事実を以後繰返したくないと思います。 二、本当に人間の小怜悧さ以上のものの力が宇宙に充満していると直感した心の素直さ謙遜さ、無慾さ、それによって他人の欠乏苦痛を正直に考慮し助力しようとする智慧。 一九二三年十一月

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人世界」1923(大正12)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日