にゅうせんしょうせつ「しんぶんはいたつふ」について
入選小説「新聞配達夫」について

冒頭文

私が予選をうけもった十数篇の中でもこの位真情にあふれたのはなかった。 徳永の云っているとおり、もっと高い芸術化が必要であることも分るが、作者の力で今それは不可能であり、これはこのままよいところを買ってよまれ、それでやはり十分読者の心をとらえる力をもっていると思う。 一九三四年十月

文字遣い

新字新仮名

初出

「文学評論」1934(昭和9)年10月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日