ふたばやまをてだまにとった“じこうさま”について
双葉山を手玉にとった“じこう様”について

冒頭文

邪教の話はいままで沢山あったけれど、この璽光教の話は非常に面白いと思いました。碁の名人、力よりも技術の相撲とりといわれた呉清源、双葉山が、そろってあやつられていたということは、この二人が日本のふるい世界では、もてはやされていたが、時代のはげしい転換期にあって、無能を暴露したわけです。これは単に頭がいいということが、どんなにあてにならないかを示したものだと思います。また邪教の教祖がほとんど女であると

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人民主新聞」1947(昭和22)年1月31日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日