じんせいのテーマ |
人生のテーマ |
冒頭文
たくさんの文学作品がよまれている。作品はテーマをもっている。わたしたちの人生のテーマはどこに見出されているだろうか。文学の作品はよみかえすことができる。けれどもわたしたちの人生はたった一度しかない。美しい六月の若葉の下を、その青い美しさに照りはえる自分をわれからめでて歩く人々は、それぞれにいちどしかない自分の一生を、どういう主題で貫こうとしているだろうか。詩や小説が人々によまれ、感動されるのは、詩
文字遣い
新字新仮名
初出
「芸苑」1948(昭和23)年8月号
底本
- 宮本百合子全集 第十七巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年3月20日