じょ(『のぶこ』) |
序(『伸子』) |
冒頭文
この小説は、大正十三年の九月から十五年の九月までの間に、一部分ずつ改造に掲載されたものだ。 書き始めてから、終るまでの間に足掛三年経って居る。其故、擱筆当時に見てさえも、最初の部分は、旧作の感があった。其後、全体を一纏めにする為にひどく時間をかけたし、印刷にかかってからも手間どり、今は事実上旧作になった。然し、この作品は自分の生活と密接な関係のあったものだし、作の上に年輪のように発育の痕
文字遣い
新字新仮名
初出
「伸子」改造社、1928(昭和3)年3月
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日