あとがき(『さっかとさくひん』) |
あとがき(『作家と作品』) |
冒頭文
わたしたちが文学を愛するこころもちの最も純粋な情熱は、いつも、その作品をよみ、それを書いた作家に心をひかれる人々自身の、いかに生きるか、の課題に関連している。過去の文学作品、また今日かかれている作品をよみ、作家について研究するとき、私たちは決してそれをただ昔のものとし、ただ今日偶然あるものとして見るのではない。きょうに生きている自分たちは、どのような人間社会の歴史の到達点にたって、更にそれぞれの可
文字遣い
新字新仮名
初出
「作家と作品」山根書店、1947(昭和22)年12月
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日