あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいごかん) |
あとがき(『宮本百合子選集』第五巻) |
冒頭文
この集には、一九三七年、三九年、四〇年の間にかいた十篇の小説と亡くなった父母について記念のための随筆二篇が収められている。 一九三七年と云えば、中国への侵略戦争を拡大しながら日本の内部のあらゆる部面に軍事的な専制が強力にしかれはじめた時期であった。二・二六事件があったのが前年の三六年のことである。 一九三八年(昭和十三年)一月から中野重治と私と他に数人の評論家が、思想傾向の上か
文字遣い
新字新仮名
初出
「宮本百合子選集 第五巻」安芸書房、1948(昭和23)年2月
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日