あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいろっかん) |
あとがき(『宮本百合子選集』第六巻) |
冒頭文
「伸子」は一九二四年より一九二六年の間に執筆され、六七十枚から百枚ぐらいずつに章をくぎって、それぞれの題のもとに二三ヵ月おきに雑誌『改造』に発表された。たとえば、第一の部分「揺れる樹々」につづいて「聴きわけられぬ跫音」そのほか「崖の上」「白霧」「蘇芳の花」「苔」などという小題をもって。 当時日本にはもう初期の無産階級運動が盛であったし、無産階級の芸術運動もおこっていた。解放運動の全線にわたっ
文字遣い
新字新仮名
初出
「宮本百合子選集 第六巻」安芸書房、1948(昭和23)年12月
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日