あとがき(『モスクワいんしょうき』) |
あとがき(『モスクワ印象記』) |
冒頭文
わたしがソヴェト同盟に暮したのは、もう二十年も前のことになる。一九二七年の暮から三〇年十一月までのことであったが、三一年から三二年までわたしはずいぶん沢山のソヴェト社会の日常生活や文化・文学についての報告を書いた。そしてそれらは、書いているわたし自身がそこで暮した新しい社会生活の姿にいきいきとして新たな感動をよみがえらしたように、沢山の人によまれて人民生活のゆく手の明るさを感じさせた。
文字遣い
新字新仮名
初出
「モスクワ印象記」東京民報出版社、1949(昭和24)年5月
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日