さくしゃのことば(『げんだいにほんぶんがくせんしゅう』だいはっかん) |
作者のことば(『現代日本文学選集』第八巻) |
冒頭文
「広場」は、一九四〇年にかかれた。同じ頃の短篇「おもかげ」と作者の内面では連作の意味をもっていた。当時軍国主義日本の文化統制はますますきびしくなってきていて、人間の理性や自然な感覚から生れる文学は、抹殺されつつあった。日本の現代文学は、急速に破壊されて行った。わたしはその兇暴な波にもまれながら、自分が今日そのような力に抵抗する一人の作家として存在するという必然について、深く思いめぐらさずにはいられ
文字遣い
新字新仮名
初出
「現代日本文学選集 第八巻」細川書店、1950(昭和25)年12月
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日