じょ(『にほんのせいしゅん』) |
序(『日本の青春』) |
冒頭文
歴史の可能は、いつの時代にも青春のうちに見出されて来た。日本の青春が明日に可能としている運命は、何と大きく画期的であるだろう。 この予想は、きのうまで日本の青春が、あのようにもむごたらしく戦争の轍(わだち)にひしがれて来たことについて、きょうの青春が熱烈に抗議している、その事実の上にこそ展望される。激しい歴史の動きにさらされながら、世界の良心あるすべての人々は、戦争放火者たちの跳梁に抗し
文字遣い
新字新仮名
初出
「日本の青春」春潮社、1951(昭和26)年1月
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日