いこくさかなざつだん |
異国さかな雑談 |
冒頭文
× 私は衣食住ともに無頓着の方で、殊に食べ物に就いてはデリケートの味感がないと見え、たゞ世間普通の意味での甘い物を食べさせられてさへ居ればよいのであつて、マヅイものを食はされても餘り文句は言はない方である。それで自分の家でも、子供達は却つて今日の飯は固いとか、柔か過ぎるとか小言を言つても、私だけは今日は強い飯の流義の家に逗つた日だ、今日は柔かい飯の好きな家庭の人となつたのだと諦めるのであり、
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「洛味」1937(昭和12)年6月
底本
- 青陵随筆
- 座右寶刊行會
- 1947(昭和22)年11月20日