まどからのふうけい(ろくがつ――) |
窓からの風景(六月――) |
冒頭文
晴 ○しっかりした面白味のある幹に密生して いかにも勁そうな細かい銀杏の若葉。 ○その窓からはいろいろな色と形との新緑の梢が見わたせた。 その奥で普請がやられている 金づちの音や木をひく音は朝から夕方まで響いた。屋根をくまれたりする新しい木の色は新緑と照り合って互にすがすがしさを増す眺望である。 ○遠くの空にはあっちに一つ、こっちに一本クレーンがある。 千駄木小学校
文字遣い
新字新仮名
初出
「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日