じょうけい(あき) |
情景(秋) |
冒頭文
秋の景色(十一月初旬) ○曇り日 日曜。ちっとも風がない。 ○すっかり黄色くなった梧桐の葉、 ○その落葉のひっかかっている槇の木の枝 ○きのうの雨でまだしめっぽく黒く見えている庭木の幹。 離れの方から マンドリンとピアノの合奏がきこえて来る。 ◎ひどく雨が降っている。 ○遠くの方で、屋根越しに松の梢がまばらに大きく左右へはり出した枝を ゆすっているのが雨中に見える。
文字遣い
新字新仮名
初出
「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日