こくぶんがくのはっせい(だいさんこう) まれびとのいぎ |
国文学の発生(第三稿) まれびとの意義 |
冒頭文
一 客とまれびとと 客をまれびとと訓ずることは、我が國に文獻の始まつた最初からの事である。從來の語原説では「稀に來る人」の意義から、珍客の意を含んで、まれびとと言うたものとし、其音韻變化が、まらひと・まらうどとなつたものと考へて來てゐる。形成の上から言へば、確かに正しい。けれども、内容——古代人の持つてゐた用語例——は、此語原の含蓄を擴げて見なくては、釋かれないものがある。 我が國の古代、まれ
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「民俗 第四卷第二號」1929(昭和4年)年1月
底本
- 折口信夫全集 第一卷
- 中央公論社
- 1954(昭和29)年10月1日