きょういくえいがについて |
教育映画について |
冒頭文
教育資料としての映画の価値の多大なことは誰でも認めてはいるようであるが、しかしこの問題については、少なくも我邦(わがくに)では、まだあまり十分に研究されていないか、ともかくも一般的興味の対象とはなっていないようである。その証拠には、芸術映画に関する色々の著書や翻訳書が沢山に出版されているにもかかわらず、教育映画に関する書物や論文が、あるかもしれないがあまり普通には見当らないのである。また文部省内に
文字遣い
新字新仮名
初出
「公民教育」1932(昭和7)年8月
底本
- 寺田寅彦全集 第八巻
- 岩波書店
- 1997(平成9)年7月7日