こうし
仔牛

冒頭文

仔牛が ある 日 お父さん牛と お母さん牛の ところへ いつて、 「父ちやん 母ちやん、あたい 體の 中が むぢゆむぢゆすんの。」と いひました。お父さん牛も お母さん牛も すつかり よろこんで よだれを たらしました。そして お母さん牛が いひました。 「坊や その むづむづするのはね、今に 坊やの 體から 何かゞ 生えて くるのよ、さあ それでは、あの 丘の 南の なの花畑(ばたけ)の 中

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「ろばのびっこ」羽田書店、1950(昭和25)年6月5日

底本

  • 校定 新美南吉全集第四巻
  • 大日本図書
  • 1980(昭和55)年9月30日