ろばの びっこ |
驢馬の びっこ |
冒頭文
張が かはいゝ 驢馬を 一匹 買ひました。ところが 歩かせて 見ると その 驢馬は びつこを ひくのです。 「なぜ びつこを ひくのだらう。」と 考へて 見ましたが わかりません。ちようど とほりかゝつた 物しりを よびとめて たづねて 見ると、物しりは、驢馬の 體(からだ)を よく しらべてから いひました。 「耳と 耳の 間に 錢ほどの 禿が ある、この 禿に 風が あたつて 寒いから び
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「きつねの おつかい」福地書店、1948(昭和23)年12月5日
底本
- 校定 新美南吉全集第四巻
- 大日本図書
- 1980(昭和55)年9月30日