めいじぶんがくかんけん (にほんぶんがくしこつ) |
明治文学管見 (日本文学史骨) |
冒頭文
一、快楽と実用 明治文学も既に二十六年の壮年となれり、此歳月の間に如何(いか)なる進歩ありしか、如何なる退歩ありしか、如何なる原素と如何なる精神が此文学の中に蟠(わだかま)りて、而して如何なる現象を外面に呈出したるか、是等の事を研究するは緊要なるものなり、而して今日まで未だ此範囲に於て史家の技倆を試みたるものはあらず、唯だ「国民新聞」の愛山生ありて、其の鋭利なる観察を此範囲に向けたるあるのみ
文字遣い
新字旧仮名
初出
「評論 一號~四號」女學雜誌社、1893(明治26)年4月8日、4月22日、5月6日、5月20日
底本
- 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
- 筑摩書房
- 1974(昭和44)年6月5日