じょしんしゅぞくのどうげんでんせつ
女真種族の同源伝説

冒頭文

滿洲の各種族の中で、古くは金國を形作り、後には清朝を出した所の女眞族は、或説には既に唐の初頃から現れて居ると云ひ、或説には五代に始めて知れたとも云はれてゐる。要するに其の種族の事情が分明になるやうになつたのは、契丹との接觸から起つたのであつて、契丹即ち遼の時代には、女眞種族を大體三通りに分けてあつた。一つは生女眞、一つは熟女眞で、今一つは非生非熟女眞である。文獻通考、大金國志或は契丹國志などによる

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「民族と歴史」1921(大正10)年7月

底本

  • 内藤湖南全集 第八卷
  • 筑摩書房
  • 1969(昭和44)年8月20日