『ちきゅうとうなん』のさくしゃのことば |
『地球盗難』の作者の言葉 |
冒頭文
本書は、僕がこれまでに作った科学小説らしいものを殆んど全部集めたものだ。科学小説らしい——といって、これを科学小説と云い切らぬわけは二つある。一つは僕が探偵小説として発表したものが一二混っていること、もう一つは僕の本当に企図(きと)しているところの科学小説としては、まだまだ物足らぬ感がするから、本当の科学小説はいよいよ今後に書くぞという作者の意気ごみを示したいことと、この二つの事由(じゆう)によっ
文字遣い
新字新仮名
初出
「地球盗難」1937(昭和12)年4月5日
底本
- 海野十三全集 別巻1 評論・ノンフィクション
- 三一書房
- 1991(平成3)年10月15日