まあじゃんをかたる |
麻雀を語る |
冒頭文
1 話(はなし)はだいぶ古(ふる)めくが、大正(たいしやう)十一年(ねん)の秋(あき)の或(あ)る一夜(や)のことだ。三ヶ月(げつ)ほどの南北支那(なんぼくしな)の旅(たび)を終(をは)つて、明日(あした)はいよいよ懷(なつか)しい故國(ここく)への船路(ふなぢ)に就(つ)かうといふ前(まへ)の晩(ばん)、それは乳色(ちゝいろ)の夜靄(よもや)が町(まち)の燈灯(ともしび)をほのぼのとさ
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「改造」改造社、1930(昭和5)年4月1日
底本
- 改造
- 改造社
- 1930(昭和5)年4月1日