かがくじちょう |
科学時潮 |
冒頭文
地下鉄道の開通 上野、浅草間の地下鉄道が出来た。入って見ると随分明るくて温い。電車の車体は黄色に塗られ、架空線(かくうせん)はないから随(したが)ってポールやパンタグラフは無い。皆レールのところから電気を取っている。一時間十五哩(マイル)の速力であるから上野、浅草間は五分位で連絡が出来る。 地下鉄道の出来たことは、いろいろな意味に於て愉快である。高速度であるため市民がセーブする時間
文字遣い
新字新仮名
初出
「新青年」1928(昭和3)年1月号
底本
- 海野十三全集 別巻2 日記・書簡・雑纂
- 三一書房
- 1993(平成5)年1月31日