おもい じょうほうきょくのえいがしんたいせいあんについて |
思い 情報局の映画新体制案について |
冒頭文
寝台の上で、何を思いわずろうてみてもしようがないが、このたびの改革案が発表されたときは、やはり強くなぐられたような気がした。自分一個の不安もさることながら、それよりもまず、失業群としての、大勢の映画人の姿が、黒い集団となつてぐんと胸にきた。痛く、そしてせつない感情であつた。しかし寝ていてはどうしようもない。もつとも起きていても、たいしてしようはないかもしれぬが、一人でも犠牲者を少なくしてもらうよう
文字遣い
新字新仮名
初出
「映画評論」1941(昭和16)年10月号
底本
- 新装版 伊丹万作全集1
- 筑摩書房
- 1961(昭和36)年7月10日