よぎしゃ |
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冒頭文
私が在米中の見聞から取材した創作でして、あちらの生活に泡のように浮んでは消える探偵小品的興味を、私の仮装児ヘンリイ・フリント君に取扱わせた短篇の一つでございます。 大戦当時の英国首相クライヴ・ジョウジ氏の大陸旅行の一隊に市伽古(シカゴ)まで追随して、大政治家の言行を通信する筈だった、紐育自由新報(ニューヨークフリイプレス)記者ヘンリイ・フリント君は、社会部長マックレガアの電報を紐育州
文字遣い
新字新仮名
初出
「探偵文藝」1925(大正14)年5月号
底本
- 「探偵文藝」傑作選 幻の探偵雑誌5
- 光文社文庫、光文社
- 2001(平成13)年2月20日