一 お花畑から、大きな虫がいつぴき、ぶうんと空にのぼりはじめました。 からだが重いのか、ゆつくりのぼりはじめました。 地面から一メートルぐらゐのぼると、横にとびはじめました。 やはり、からだが重いので、ゆつくりいきます。うまやの角の方へのろのろいきます。 見てゐた小さい太郎は、縁側からとびおりました。そしてはだしのまゝ、篩(ふるひ)をもつて追つかけ