うばぐるま
乳母車

冒頭文

坊やがせがむと 乳母車、 つばきの花をつけられる。 そしてくる〳〵 くる〳〵と、 ご門のとこまでひかれてく。 坊やがねないと 乳母車、 ねんねこようをきかされる。 そしてゆら〳〵 ゆら〳〵と、 ぶらんこみたいに揺(ゆす)られる。 坊やがねちやうと 乳母車、 日かげにそつといれられる。 そしてふんはり ふんはりと、 もひとつ毛布をのせられる。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「赤い鳥」赤い鳥社、1932(昭和7)年7月

底本

  • 日本児童文学大系 第二八巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日