小さい卵のなかにゐる かあいゝ坊やよでゝおいで、 みんなはおまえを待つてゐる。 お空は青くはれてゐる、 坊やのお歌を待つてゐる。 梢の空気は澄んでゐる。 小麦は軒端にこぼれてる。 お花畑は呼んでゐる、 遊びにおいでと呼んでゐる。 光はいつぱいみちてゐる。 神様までが待つてゐる。 坊やよ坊やでゝおいで、 黄色い嘴(くち)からでゝおいで、 母さん「ばあつ」とでゝおいで。