仔牛は日向に たつてゐた 細い四足すつきり伸びて 小(ち)さいひづめは繁縷(はこべら)ふんで。 日永、半日 たつてゐた 青いお目々は牡丹をみつめ 黝いお鼻は匂ひにぬれて。 すると日暮にお角が生えた。 空に小さく三日月でゝた。