ひろうたかんむり |
拾うた冠 |
冒頭文
みなさん神社の神官がお祭の時などにかぶつてゐる帽子をご存じでせう。又あれが冠といふものであることもご存じでせう。あの冠は位によつて種類があります。丁度(ちやうど)金筋の何本はひつた帽子は大将で、何本のは中将であると今軍人の帽子で官の位がわかるのと同じことです。 昔、天皇陛下がまだ京都におすまひなされたときのことです。或時(あるとき)、京都に火事がありました。その日はあひにく風が強いのでち
文字遣い
新字旧仮名
初出
「赤い鳥」1921(大正10)年5月
底本
- 日本児童文学大系 第一一巻
- ほるぷ出版
- 1978(昭和53)年11月30日