いわをちいさくする |
岩を小くする |
冒頭文
後村上(ごむらかみ)天皇さまの皇子さまに、寛成(ひろなり)さまと申すお方がございました。 まだ、ごく御幼少の時、皇子さまは、多勢の家来たちと、御一しよに、吉野川の上流、なつみの川岸へ、鷹狩(たかがり)を御覧においでになりました。 川岸には、大きな岩があつて、その上に、松の木が一本、枝ぶり美しく、生えてゐました。 寛成の皇子さまは、それが大へん、お気に入つたとみえ、おそ
文字遣い
新字旧仮名
初出
「金の星」金の星社、1927(昭和2)年1月
底本
- 日本児童文学大系 第一一巻
- ほるぷ出版
- 1978(昭和53)年11月30日