へびつかい
蛇つかひ

冒頭文

インドだのエジプトだのといふやうな熱帯地方へいきますと、蛇使(へびつかひ)と言つて蛇にいろ〳〵のことをさせて見せる、わたり歩きの見世物師がゐます。たいてい五六人で組をつくつて、ありとあらゆるさま〴〵の蛇のはいつた、籠(かご)や袋や箱をかついで、町から町へとめぐつて歩き、人どほりのおほい広場や空地で、人をあつめて見せるのです。人がいゝかげんにあつまりますと、蛇つかひはいづれも地びたにすわつたまゝで、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「赤い鳥」1923(大正12)年7月

底本

  • 日本児童文学大系 第一〇巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日