てがみ |
てがみ |
冒頭文
ユウコフは年はまだやつと九つです。せんには、お母(つか)さんと一しよに、ゐなかの村のマカリッチさまといふ、だんなのうちにおいてもらつてゐました。お母さんはそのうちの女中になつて、はたらいてゐたのです。そのお母さんが死んでしまつたので、ユウコフもそのお家にゐられなくなり、人の世話で、三月まへから、この靴屋の店へ、奉公にはいつたのでした。 こよひはクリスマスの晩です。ユウコフは親方や兄弟子た
文字遣い
新字旧仮名
初出
「赤い鳥」1931(昭和6)年12月
底本
- 日本児童文学大系 第一〇巻
- ほるぷ出版
- 1978(昭和53)年11月30日