かくじんしんきゅうないのひきゅう
各人心宮内の秘宮

冒頭文

各人は自(みづか)ら己れの生涯を説明せんとて、行為言動を示すものなり、而(しか)して今日に至るまで真に自己を説明し得たるもの、果して幾個かある。或は自己を隠慝(いんとく)し、或は自己を吹聴し、又た自らを誇示するものあれば、自らを退譲するものあり、要するに真に自己の生涯を説明するものは尠(すく)なきなり。 哲学あり、科学あり、人生を研究せんと企つる事久し、客観的詩人あり、主観的詩人あり、千

文字遣い

新字旧仮名

初出

「平和 六號」平和社(日本平和會)、1892(明治25)年9月15日

底本

  • 現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
  • 筑摩書房
  • 1974(昭和44)年6月5日