わたしのちょさくしゅう
私の著作集

冒頭文

最初の創作集は「晩年」でした。昭和十一年に、砂子屋書房から出ました。初版は、五百部ぐらいだったでしょうか。はっきり覚えていません。その次が「虚構の彷徨」で新潮社。それから、版画荘文庫の「二十世紀旗手」これは絶版になったようです。 しばらく休んで、一昨年あたりから多くなりました。紙の質も、悪くなりました。一昨年は、竹村書房から「愛と美について」砂子屋書房から「女生徒」女生徒は、ことしの五月

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本学芸新聞」1941(昭和16)年7月10日

底本

  • 太宰治全集10
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1989(平成元)年6月27日