べにいろだいや
紅色ダイヤ

冒頭文

謎の手紙 これから皆さんに少年科学探偵塚原俊夫(つかはらとしお)君を紹介します。俊夫君は今年十二ですけれど、大人も及ばぬ賢い子です。六歳の時、三角形の内角の和が二直角になるということを自分で発見して、お父さんをびっくりさせました。尋常一年のとき、 菜の花や股のぞきする土手の児(こ)ら という俳句を作って、学校の先生をアッと言わせました。尋常二年の頃にはもう、中学卒業程度の

文字遣い

新字新仮名

初出

「子供の科学 一巻三号~二巻二号」1924(大正13)年12月~1925(大正14)年2月

底本

  • 小酒井不木探偵小説選 〔論創ミステリ叢書8〕
  • 論創社
  • 2004(平成16)年7月25日