しんさくいろはがるた
新作いろは加留多

冒頭文

いろは加留多には「ン」がない。多分ンで始まる言葉がないからだらう。ところが、四五年前、ンで始まる金言を発見したから、ついでに「いろは加留多」を作らうかと思つた。そのうちに忘れてしまつたけれども、又、正月が近づいたから、思ひだした。ンの金言を発見した次第は、次のやうなものである。 北原武夫が都新聞の文芸記者をやつてゐたときの話である。都の匿名欄には僕も時々書いてゐたが、題と匿名は編輯者に委

文字遣い

新字旧仮名

初出

「現代文学 第四巻第一〇号」大観堂、1941(昭和16)年11月30日

底本

  • 坂口安吾全集 03
  • 筑摩書房
  • 1999(平成11)年3月20日